「みたけまいり」

みたけまいり

制作=1974年/8ミリ/16分/モノクロ

出演=長女・葉、その友達・うえはらてつひこ、沢野ひとし、宮下キヌエ、椎名寛

ロケ地=奥多摩・御嶽山

あらすじ

家族・仲間とハイキングに行った様子をスナップ風に撮影したもの。サブタイトルは「沢野ひとしの遠くへ行きたい」

椎名誠 自作を語る

オープニングで「沢野ひとしの 遠くへ行きたい」というサブタイトルやメインタイトルがスーパーインポーズされています。これはビデオなら簡単にできますが、フィルムではなかなか難しい作業なのです。だから、そういうことができるだけの技術を身につけていたということは、この頃にはだいぶ映画作りにも慣れてきたといえるでしょう。  内容は友人たちと行った奥多摩・御嶽神社への日帰り旅行を撮ったものです。沢野ひとしがまだ30歳と若かったころですね。この映画ではナレーションも彼にやってもらいました。  まあ、この映画は当時の日本中にいっぱいいたお父さんの日常そのままといった感じのものですね。8ミリカメラを持って、子供たちと出かけ旅先で撮影をして、といういわゆるホームムービーと同じようなものです。  1974年、というとずいぶん大昔のことのように思えるけれども、今になってフィルムを見直してみると、そのころの初々しい世界がそっくりそのまま残っているわけで、映画というのはいいもんだなあ、とあらためて思います。 (椎名誠 新潮文庫 1996年『自走式漂流記1944〜1996』より)

旅する文学館 ホームへ