出版社:講談社

文庫

発行年月日:2005年05月15日

椎名誠 自著を語る

「小説現代」に座敷を移した東海林さだおさんとの対談は、ゲストを毎回迎えることによっていろどりも変わり、けっこう長続きしていた。ここではノーベル賞作家の大江健三郎さんをゲストにした回もある。今でも覚えているが、新宿ヒルトンホテルでのインタビュー対談は、大江さんの滑らかな話が長時間続き、なんだかんだで場所を変えて6時間くらい話を聞いていた記憶がある。その折に、やぶさかとは何か、という話がマクラにあり、東海林さんやぼくが考えていたレベルよりはるかに深いところから、「やぶさか」の本当の意味を大江さんが解いてくれたのを聞き、ははあーとひざまずいて頭を下げたくなるような思いをしたものだ。(2011年 椎名誠 語りおろし)

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