出版社:文藝春秋

文庫

発行年月日:2002年05月10日

椎名誠 自著を語る

「週刊文春」に連載している新宿赤マントはそのころでもう9年ぐらいになっているはずだ。締切のタイミングや題材の選び方なども当然体の中に入り込んでいて、毎週毎週テーマやネタ探しに苦しむというようなことはもうなくなっていた。挿絵を描いている沢野ひとしもぼくと同じように自分のペースが出てきたようで、ぼくの描く内容とつかず離れずのスタンスを彼もようやく見つけたんだなと思う。「とんがらしの誘惑」というタイトルは本文とは関係なく、ぼくは昔から辛い物が好きだ、という単純な話。特にトウガラシからなにか激しい誘惑を受けたというわけではない。(2011年 椎名誠 語りおろし)

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