出版社:新日本出版社
発行年月日:2020年09月15日
椎名誠 自著を語る
ぼくのいいんだか悪いんだかわからない習性として、書き出したいくつかのおはなしが単行本になると、それ一冊ではすまなくて、第二冊目、第三冊目、と連作していく傾向がある。編集者に言わせると、読者が望んでいるから連載が続いていき、それが本になっているんだから喜ぶべきことなんですよ、と励ましてくれるのだが、書いているほうはいつまでもこんなことを書いていていいんだろうかという不安がある。この第三作目はタコとイカが怒りながらごはんを食べている絵が表紙になっている。こういう脳天気な本を書いている作者が怒られているような気がして、どうも気がひける。