「あひるのうたがきこえてくるよ。」

「あひるのうたがきこえてくるよ。」

原案=野田知佑/原作『ハマボウフウの花や風』(椎名誠、文藝春秋)

ⓒ1993年、ホネ・フィルム

カラー35ミリ、シネマスコープ、1時間44分

製作=岩切靖治、野田隆一

企画=中沢敏明、真木太郎、沢田康彦

プロデューサー=吉田浩二、白木芳弘

脚本=白木芳弘、田部俊行、椎名誠

撮影監督=高間賢治

出演=柄本明、高橋恵子、黒田福美、上田耕一、荻野純一、余貴美子、竹下景子、加藤武、小沢昭一、他

音楽=高橋幸宏

ロケ地=福島県・金山町

椎名誠 自作を語る

前作で劇場用の本格的長編映画づくりがどういうものなのかを知ったぼくは、ますます映画づくりの面白さに目覚めてしまい、三本目の映画を撮ることになりました。映画のつくりかたにはだんだん慣れてきましたが、この映画も従来通り、共同合宿スタイルで長期ロケをして撮ったものです。実際、ロケ地は福島の新潟県との県境に近い山村で、そういうスタイルでないと撮影が難しかった。  この映画では初の試みがいくつかあります。それはシネマスコープで撮ったことと、キャストがプロの俳優中心になったということです。『うみ・そら……』でもプロの俳優さんに出てもらいましたが割合としては少なかったので、この作品のときは緊張しましたね。またシネスコは16ミリ時代に苦い思い出のあるサイズでもあるし、昔、ぼくが映画に熱中していたころ主流だった画面のサイズでもあるので、それで撮れるというのはうれしかった。 (椎名誠 新潮文庫 1996年『自走式漂流記1944〜1996』より)

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