『コガネムシはどれほど金持ちか』

目黒次は『コガネムシはどれほど金持ちか』です。ええと、「ナマコのからえばり」シリーズの第3弾ですね。サンデー毎日2009年3月29日号〜2010年1月24日号に連載され、毎日新聞社から2013年8月に刊行されて、2013年8月に集英社文庫と。どの話からいこうか。漁師ズボンからいこうか。八丈島の漁協の売店で漁師ズボンを買う話で出てくるんだけど、おれも昔、このズボンを買ったよ。部屋着として楽チンだし、パジャマ代わりにもなると椎名が書いているけど、本当にそうだよね。

椎名いま履いてるやつは、こないだ買ったものだよ。ほら、「漁パン」って書いてあるだろ。

目黒漁師ズボンともいうし、漁パンともいうんだ。いいなあそれ。

椎名これはブランドものだぜ(笑)。3000円以上したもの。

目黒この本の中では980円とか880円とか、書いているよ。

椎名それは「関西ファッション連合」のものだよ。あれは安い。

目黒この本の中に、笹塚のサミットストアで売ってたと書いてあるけど、いま行ってきたらなかったぜ。

椎名「関西ファッション連合」はつぶれたみたいだな。笹塚のサミットストアにあったのはその関西ファッション連合のものだから、それでもう置いてないんじゃないか。

目黒あとね、この漁師ズボン、漁パンを履いてどこにでもいくと、新宿の居酒屋にもこの姿で行くと書いているんだけど、そこで四谷、高田馬場、恵比寿あたりもこれでいくけど、銀座はちょっと、と書いている(笑)。これは、四谷、高田馬場、恵比寿には実際に行ったことがあるってこと?

椎名いや、イメージだな。

目黒知り合いの事務所がその3つの街にあって、実際に行ったのかと思った。その3つの街の関係者に怒られるぜ(笑)。

椎名でもな、赤と青を今回は買ったんだけど、赤はさすがに履いていけない。

目黒じゃあなんで赤を買ったのよ。

椎名だってコンちゃんが、椎名さんは昔赤を履いてましたよって言うんだ。でも東京に帰ってきたら赤はやっぱり履けないんだよ。赤はやめればよかった(笑)。

目黒あとは、一つの車両の前が喫煙で、後ろが禁煙という時代があったと書いていて、これで思い出したけど、おれが初めて海外に行ったとき、飛行機の前が喫煙で、後ろが禁煙だった。めちゃくちゃな時代だよね。

椎名いちばんめちゃくちゃなのは、湯船の半分が女湯で、残り半分が男湯というやつ。

目黒仕切りがないの?

椎名そう。

目黒そんなバカな(笑)。

椎名本当だよ。

目黒余市にワープロを置いていたので以前のようにわざわざ持っていかなくてもよくなったけど、いざ原稿を書こうと思ったら、フロッピーがないことに気づいて書けなかったというくだりも面白かった。おれなんか、一生分のフロッピーを買ってあるよ。

椎名一生分って何枚だよ。

目黒だから40枚パックを7〜8コと、22枚パックを10コ以上。フロッピーがなくなりかけたころに急いで買い集めた。

椎名そんなに使うかあ。

目黒でもね、フロッピーは上書きすればいいんだって。だからそんなに買う必要はないって。

椎名そうかあ。フロッピーってだめになるんじゃないか。

目黒わかった。知らない同士が話ても何の解決にもならないからこの話題はやめよう(笑)。

椎名上書きできるかどうか、知りたいな。

目黒そうだ、これ、なんのことだか最初はわからなかった。

椎名なに?

目黒羽田にいくときの話だけど、往復JALなので駐車場の問題がないって記述。この意味がわからなかった。ようするにJALとANAは離れているから、行きのJALに合わせてそちら近くの駐車場に車を止めると、ANAで帰ったときに遠くなるから不便になると。つまり椎名は、行きと帰りでは航空会社が異なる場合が多いということだね。だからこの駐車場問題にいつも悩まされているんだ。

椎名そうなんだよ。

目黒で、椎名としてはどっちに合わせているの?

椎名帰りは素早く帰りたいから、帰りの航空会社に近い駐車場に止める。いきは早めに行って、少し不便でもわざわざ帰りのほうにとめておくんだ。

目黒なるほどね。

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