出版社：集英社
新書
発行年月日：2015年08月17日
椎名誠 自著を語る
「東京スポーツ新聞」での週一回の連載をまとめたもの。タイトルを見ると食とそれを出すことの話である。普通でいえば順番は先に食があってそのあとに出すがくるような気もするが、まあどっちみち大バカ的な無責任エッセイだからなんでもいいのであった。しかし、この７文字からなるタイトルは実に見事だなあと書いた本人があらためて感動してしまう。７文字のうち４文字がひときわ目立つ赤で彩色されているのが編集者の意地と才能が組み合わさっているみたいで、あらためて感心しちまうのだ。表紙の写真はあそこだ、と明確にすぐさま思い起こすことができなかったけれど、たぶんこれはスリランカの田舎のほうに泊まったときのものだと思う。木の上に座って糞便をしているように見えるが、そんな器用なことをしているわけではなく、満ち潮で押し寄せてくる波の中の魚を釣っている地元漁師の姿で、ああ、そんな旅もあったなあと懐かしく振り返ったりもするのです。
