椎名誠 旅する文学館

氷用ドリル

ロシア・イルクーツク

ニシザワ「これも分かんないなー。なんですか、これ？」

おー、よくぞ聞いてくれた。
これ、でかいだろ。
今は折りたたんであるんだけど、ホラ、伸ばすと…

ニシザワ「長っ！」

全長２メートル３０くらいか。
はて？なんでしょうだよな。
蝶つがいのところから伸ばすだろ、そうするとホラ、ドリルになるじゃんか。これを持ってグルグルと。
冬期の湖の釣り用ドリル。これで凍った湖にガリガリ穴を開けて、釣りをするのだ。

なんでこれを持って帰ったか覚えてないな。
これを日本でどう使うんだ？ってな、我ながら謎だよ（笑）。
俺はさー、いいなーと思うとどんなに大きくてもコーフンしてすぐ買っちゃうんだな。

ニシザワ「でもたしかに機能美みたいなものはありますね」

だろ？美しいよな。

ニシザワ「これは売り物ですか？」

そう。普通に釣り具屋で売ってたぜ。