184杯目:シーナさんに質問だ! 2025夏

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緑が強いからもう夏だ
東京都小平市/椎名誠撮影
(“チェキ” instax mini 90 ネオクラシック)

竹田シーナさんに質問だ!

椎名なんだい。

竹田まずは都内在住のフリーライターの男性からです。「尿酸値が怪しくなってきて医者に『1杯目の生ビールだけ、冷たい水にするとか飲み方を少し考えたほうがいいですね』とか無茶苦茶なことを言われました。どう思いますか?」という質問です。

椎名たくさん飲んでたくさん働きなさい。痛風が出たらまた相談しなさい。

竹田はーい。続いては、こちらも都内在住の会社員「AI地獄」さんより。「最近、読んだ面白い本を教えてください」という、火の玉直球質問です。

椎名『インド工科大学マミ先生の ノープロブレムじゃないインド体験記』(山田真美/笠間書院)は、インドの本は何冊も読んでいるので今さらなんだけれど、インドは相変わらずインドなので安心した。狂犬病にやられた病人を収容していくすさまじい病院に行くエピソードは初めて読んだなあ。君は?

竹田ええ、僕も答えるんですか? 『テスカトリポカ』(佐藤究/KADOKAWA)は小説の中で場面を動かすのって大事なんだなと思える作品でした。あと、椎名さんに以前、教えてもらった『コンゴ・ジャーニー』(レドモンド オハンロン/新潮社)と、話題のノンフィクション『ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス』(栗田シメイ/毎日新聞出版)を今読んでいるのですが、どっちもすごい。

椎名どんどん行こう。

竹田では次。また都内在住の男性「匿名希望退職」さんから「移住を考えています。どこかオススメの土地はありますか?」です。

椎名うーむ、まるっきり個人の好みのテーマなので何かを言うのは難しい。というか答えようがないよ。移住できる選択肢があること自体が幸せ、と考えたほうがいいんじゃないの?

竹田椎名さんはかつて、北海道の余市町に移住を視野に入れつつ、別荘をお持ちでした。

椎名いいところだったけれど、やっぱり北海道の冬は厳しい。住んでみないと分からないことはたくさんあったなあ。ただ、余市は本当に好きな町だったから、この質問に答えるとしたら「移住したい」というより「ここに住みたい」と具体性を持った動機のほうがうまく行く気がする。

竹田なるほど。漠然と「移住したい」という願望よりも好きな場所ありきってことですね。

椎名今はニュースでもさかんに移住がらみのことをやっているよな。

竹田かなり積極的に誘致している自治体もありますよね。出社しなくていいフルリモートの働き方、居住地を問わない企業などもあり、コロナきっかけもあるのでしょうが、多様化してきました。

椎名知人友人からも近年は「引っ越しました」みたいな連絡が多い気もする。みんなやっぱり「住んでみたい」みたいな欲がある。

竹田まあ、家庭や仕事の事情はあるでしょうが、まずは「好きな土地を見つけることから」ですかね、回答としては。

椎名そうだね。自分が住む場所なんだから主体性はないといけないと思う。美味しいラーメン屋があるとか、広い海岸が見えるとか、裏山で山菜が採れるとか、なんでもいいんだ。

竹田ふんふん。

椎名雑魚釣り隊の例でも、沖縄と岡山に移っていった西澤も岡本も幸せそうだもんなあ。

竹田えー最後の質問です。高知県にお住まいの「戻り初ガツオ」さん、男性ですね。「最近、お好きなビールの銘柄と、簡単ツマミを教えてください」とのこと。

椎名ビールはエビスの生。ツマミはサキイカ!

竹田おお、いいっすね。僕もそれは食べてます。梅雨入りしそうですし、今から買ってくるからとりあえず一杯やりましょう。

椎名誠:最近は体調が良いのでカクヤスに毎日、注文をしている。肝臓の数値も悪くない。酒がうまい。

竹田聡一郎:医者に休肝日を週2で作れと言われた。フルマラソン2時間台で走れと言われたに等しい。

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