180杯目:祝創業70周年
銀座と新宿にはこうやってデパートがどーんとあってほしい
東京都新宿区/竹田聡一郎撮影
(“チェキ” instax mini 90 ネオクラシック)
椎名この前は最新号をありがとう。
竹田なんの話ですか?
椎名「ストアーズレポート」だよ。
竹田ああ。僕も読みたかったので。念の為に説明すると、シーナさんが20代の頃に編集長をしていた国内唯一の百貨店業界紙ですね。
椎名わざわざ編集部に行ってくれたと聞いた。
竹田ストアーズ社は場所は変わったけれど、今も銀座にあるんですよ。汐留で仕事があったのでちょうど寄ることができました。
椎名銀座のどのあたり?
竹田住所でいえば7丁目。汐留と東銀座の間、築地の手前、といった立地ですね。椎名さんが働いていた頃からは何度か移転しているようです。銀座の一角なのに静かでいい場所でした。
椎名そうかあ。古巣が元気で動いているのは嬉しい。
竹田本来はこそっと行って最新号だけしれっと購入してくるつもりだったのです。でも領収書をもらった関係でご挨拶することになり、でも編集部のみなさん、といってもその時は二人の方しかいらっしゃらなかったですが、とても親切にいろいろ教えてくれました。今年は創業70周年記念イヤーだそうです。
椎名めでたいなあ。
竹田そのうち15年くらいですか? 椎名さんがいたの。
椎名そうだね。会社員だからもちろん嫌なことや納得いかないこともあったけれど、基本的には好きなことをやらせてもらったから楽しい日々だったな。
竹田久しぶりに読んだ「ストアーズレポート」はいかがでしたか?
椎名感動した。スマートで綺麗な誌面になっていたなあ。
竹田4月号の特集タイトルは「25年春夏の百貨店改装最前線」でした。これだけでは判断できませんが、椎名さんがスポーツ紙を参考に当時つけていたタイトルの傾向に名残があるような。
椎名「最前線」とかいいねえ。他の号は?
竹田今年の1月号は「強まる“変革への攻め” ~大手百貨店 中期計画の進捗度~」、2月が「人的資本・人財戦略の勘所」、3月「25年開業 大型商業施設の趨勢」です。
椎名いいなあ。昔を思い出すよ。編集会議で刺激的なタイトルをいつも探していた。「殴り込み」とか「反撃」とか。
竹田巻頭に編集長による署名のコラムがあるのですが、このタイトル「百聞一論」もいいっすね。取材とはこの志ですべきだと刻みました。
椎名カタカナ言葉が多くなったのは時代だろうな。分からないところもあった。
竹田椎名さんが書いていた頃だって専門用語は多かったのでは?
椎名そうなんだけど、当時の上司から「商業誌だから分かりやすく書け」と何度も言われた。だから自分で分からない言葉は使わなかったし、使うとしても分かるように書いていた。その作業を繰り返すことで文章の基礎も学んだ。
竹田いい話だなあ。
椎名どのページも熟読してしまった。価格が1100円と聞いた時は「少し高いな」と思ったけれど、これはその価値はあると思う。
竹田そうですね。特集内に新宿高島屋のデパ地下解説記事があるのですが、読んでたら興味が出てきて、思わず買い物に行ってしまいました。編集部の思う壺だ。
椎名それでこの写真か。
竹田デパートもインバウンドは大事なんですが、こういう記事を読むと国内需要へ再編もしているんだと応援したくなります。
椎名来月号も読みたいなあ。
竹田自分で買ってきてください。毎月28日発売です。
椎名銀座もしばらく行っていないなあ。
竹田椎名さん行くなら僕も行きます。ビアホールライオン、みかわやのタンシチュー、天龍の餃子! みんなに声かけますね。
椎名なんで業界紙を買うだけでそんな大事になるんだ。
竹田築地には老舗オイスターバーがあるんです。
椎名人の話を聞きなさい。
竹田コリドー街には「近畿大学水産研究所」がありますよ。
椎名なに!? まさかマグロか!?
竹田近大卒のマグロです。刺身はもちろん山椒煮、竜田揚げ、あら汁!
椎名25年夏のマグロ最前線!
椎名誠:酒が好きな作家。暑い時はまず生ビール飲んで、2杯目は黒ビールとのハーフ&ハーフだ。
竹田聡一郎:酒が好きなフリーライター。鯉のぼりの季節なので今のうちにたくさん飲んでおく。