174杯目:酒場日韓戦

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日本でも最高峰の「ビアライゼ」の生ビール
東京都港区/椎名誠撮影
(NIKON Df)

竹田アニョハセヨー。

椎名帰国したのか。たくさん飲んだのか。

竹田メクチュにソジュにマッコリ!

椎名マッコルリ、だ。舌を巻きなさい。

竹田細かいなあ。

椎名ツマミを報告しなさい。

竹田けっこう寒かったので、一人の時はサムゲタン、ソルロンタン、プデチゲとか、汁物鍋物が多かったですね。記者や関係者と一緒の時はサムギョプサルやタッカンマリなどをエンジョイしました。

椎名韓国はキムチやおかずが出てくるから、それだけで嬉しいよな。

竹田パンチャン。あれだけでビール飲めちゃう。

椎名基本的には無料だろ?

竹田そうっすね。キムチやナムルは当たり前だけど、店によってはレンコンのキンピラみたいなもの、うずらの煮付けなどなど、気の利いたものもあるし、ポッサムやケジャンなど豪華なラインナップを誇る店もあります。

椎名いいではないか。

竹田何度か雑魚釣り隊の連中とソウルで飲んだんです。その時に馬場洞というエリアの焼肉横丁に行って焼肉を頼むと、なんとパンチャンがレバ刺しだった。

椎名日本ではもう食べられないんだっけ。

竹田だから貪ってました。特に天野と健太郎。天野は食べるというより「吸う」って感じでした。

椎名ゼリーかなんかだと思ってんだろ。

竹田健太郎はスプーン使って食べてました。

椎名スープかなんかだと思ってんだろ。

竹田あまりにもお代わりを繰り返すもんだからアジュモニが「もうこの先は有料!」ってちょっと怒って。

椎名お代わりいくら?

竹田それが5000ウォンだったんですよ。当時のレートで400円くらい。そしたらヤツらはむしろ歓喜して「あと4皿ください」って。

椎名お前らは本当にバカだなあ。しかし、そんな話を聞くと日本の居酒屋も世界に誇る飲食店ではあるけれど、“お通し日韓戦”は確実にあちらに軍配が上がる。

竹田そうですねえ。そしたら日本の居酒屋のいいところはどこだろう。なんでも揃うところですかね? ホスピタリティですかね?

椎名それもあるかもしれないけれど、私は生ビールの質を強く主張します。

竹田おお、確かに。居酒屋は生ビール標準装備ですもんね。「とりあえず生」は誇るべき日本語だ!

椎名韓国には生ビールあるの?

竹田最近、増えてきた印象です。クラフトビールもブームでタップビールも人気になってきていますが、街の酒場や食堂は圧倒的に瓶ビールです。

椎名日本の大手ビールメーカーの企業努力や居酒屋側の衛生管理も大きいのだろう。

竹田そうですね。さらに最近は韓国でも「ハイボール」が通じるようになってきたとか。

椎名へえ、進出したのか。辛いものに合うからハイボールは人気出るかもな。

竹田逆に日本にも若い世代をターゲットにした韓国料理店も増えましたし、チャミスルのいろんなフレーバーがコンビニなんかでも常備されています。

椎名へえ、今度、試してみようぜ。

竹田いいすね。日韓チャンポン。

椎名二日酔いすごそうだけどな。

椎名誠:腰痛作家。久しぶりに池林房に行った。混んでいた。生ビールはうまかった。マグロを2皿食べた。

竹田聡一郎:悪玉コレステロールを追い出したいけれど生ビールがうまいので困っているフリーライター。

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