162杯目:再見2024

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今年もたくさん飲みました
アメリカ合衆国ニューヨーク州/椎名誠撮影
(NIKON COOLPIX P300)

椎名これで今年はおしまい?

竹田そうですね。僭越ながら僕が2020年に「椎名誠 旅する文学館」館長となり、その際に始めた「最近のシーナ」ですが、162回目です。

椎名続いているのはいいことだ。

竹田おかげさまで。今回はシーナ的2024を振り返っていきましょう。

椎名腰が痛かった。

竹田まあ、リアルな振り返りはそうなっちゃいますか。指圧には通っているんですよね?

椎名あそこに行くと少し楽になるんだ。

竹田全面的に解決! とはなかなかならないでしょうね。

椎名ううむ。

竹田酒は飲まないほうがいいんですか?

椎名いや、飲んだほうがいいんだ。先生が言ってた。

竹田本当ですか? 血行が良くなるからかな。

椎名身体を冷やさないようにお湯割りとかね。

竹田 なるほど。でも、その指圧の先生が酒好きなだけで「あったかい酒なら」とまさに酌量してくれている気もします。

椎名その可能性はあるな。

竹田あったかい、という意味では2月には宮古島にみんなで行きました。

椎名無駄合宿か。ぽかぽかした大広間の畳で午睡したのは贅沢だった。

竹田そこから129杯目などで紹介した5月の「新宿3丁目まつり」に向けて準備に取り掛かります。

椎名祭りやイベントはなんだかんだ企画しながら酒飲む時間がいちばん楽しいからねえ。

竹田でも、椎名さんはその間にも新刊が出たり講演、文学賞の選考委員会などけっこう仕事されているんですよ。

椎名80歳の腰痛ジジイの割によくやっているな。

竹田80歳のお祝いも何度かしました。夏は名古屋や盛岡などにも足を運んでいます。

椎名世間的には何があったの?

竹田キーワードとしては大谷翔平とIPPEI、都知事選、パリ五輪、新紙幣、米大統領選などですかねえ。

椎名ううむ、見事に興味を持てないニュースばかりだな。選挙がらみは全部、暗い話題だ。

竹田ですねえ。秋になると椎名さんは松本講演で車椅子デビューしました。

椎名ひええ。やっぱり腰の痛い1年だった。

竹田それでも11月には那覇に行って泡盛で乾杯しました。

椎名沖縄の風に吹かれると精神的には安心するのだが、行くのに気力と体力を要するな。

竹田書籍は『続 失踪願望。 さらば友よ編』(集英社)や『思えばたくさん呑んできた』(草思社)など単行本が重版となり、文庫でも岩波書店の『活字のサーカス』シリーズをまとめた同名タイトルを小学館が文庫にしてくれました。

椎名あれは嬉しかったなあ。

竹田文庫化を記念して小学館のケンタローを筆頭に雑魚釣り隊が何人か盛岡のイベントに集い、冷麺をすするという重要な任務を達成しています。

椎名みんな盛岡好きだよなあ。北に行くのは好きなんだけれど、東京駅を歩くのがしんどくなってしまった。

竹田そうですか。具体的にお医者さんからはどんな診断だったんですか?

椎名いやまだいろいろ検査をしているので、病名ははっきり出ていないんだ。分かったらどっかに書くよ。

竹田こうして話しているとお元気なんですけれどね、椎名さん。足腰がイメージ通り動かないんですか?

椎名悲しいことにそうなんだ。

竹田お大事にしてください。来年も無理ない範囲でぼちぼち飲み遊びましょう。

椎名そうだね。良いお年を。

竹田読者のみなさまも良いお年を。お屠蘇の飲み過ぎにはくれぐれもご注意ください。

椎名それは君だろう。

椎名誠:酒呑み作家。デビュー作『さらば国分寺書店のオババ』(情報センター出版局)出版から45年が経った。著作は300冊を超える。

竹田聡一郎:麦酒フリーライター。デビュー作『BBB』(講談社)出版からまだ14年しか経っていない。著作はたった2冊。次作の噂さえない。

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