154杯目:岳都で地酒を飲んだ
今度は播隆祭に行ってみたい
長野県松本市/竹田聡一郎撮影
(“チェキ” instax mini 90 ネオクラシック)
椎名このヒト誰?
竹田播隆上人さんです。
椎名知らない。
竹田はい、僕も実は知りませんでした。今月アタマ、松本に行ったじゃないすか。その時に駅前におわしました。
椎名アウトドア祭りかあ。
竹田まあ、だいたい主旨は合ってますけれどね、正しくは「アルプスアウトドアサミット」です。
椎名晴れてたし、会場の広いドームもいい建物だった。
竹田気持ちいいアウトドア日和でしたね。話を戻しますが、播隆上人さんは山岳を修行の場として選び、槍ヶ岳などを開山した方とのことです。
椎名槍ヶ岳なんて今でも難しいだろうけれど、昔はもっと険しいだろうなあ。しかし、松本というのはやっぱり日本を代表する麓町なんだねえ。
竹田「岳都」っていい言葉ですね。椎名さんたちの共著なのかな。本の雑誌から2003年に出た『新・これもおとこのじんせいだ!』の中で沢野ひとしさんが、別荘を持つなら松本郊外がいいと書いていますよね。
椎名へー、そうだっけ。
竹田「アルプス山岳館」の下あたり、と具体的に場所まで明かしています。
椎名アウトドア祭りの会場のほう?
竹田アルプスアウトドアサミットです。いや、先日の会場の正式名称は「長野県松本平広域公園 信州スカイパーク」といって、松本市街から南側で松本空港やアルウィンのほうです。
椎名アルウィンって何?
竹田Jリーグの松本山雅FCのホームスタジアムの愛称ですね。アルプスの風、アルプスのウインドでアルウィン。取材で時々、来てました。緑に染まるいいスタジアムですぜ。
椎名へえ。
竹田「アルプス山岳館」は松本アルプス公園にある、市内の北側ですね。調べてみたら、アルプスアウトドアサミットの後で打ち上げをした時に代表取締役の小杉さんとご一緒しましたが、その小杉さんのZANE ARTS(ゼインアーツ)社がご近所にありました。
椎名テント屋さんだっけ?
竹田そうそう。小杉さんが「怪しい探検隊」の存在を知って「ああ、こんなバカな大人でいいんだ」と前を向けた、という逸話は最高でした。
椎名あんな行状記でも人様の役に立つんだなあ。
竹田打ち上げでお邪魔した居酒屋「あおぞら」さんもいい店でした。
椎名最後に麺を出してくれるのはいい店だ。
竹田スタッフのお姉さんに「このツマミに合う地酒をください」とお願いすると察しよく、うまい日本酒を出してくれました。
椎名君は日本酒のことばかり言ってバカみたいだな。
竹田あなたは麺のことばかり言ってバカみたいです。
椎名ともかくいい酒だった。いい旅だった。
竹田小杉さんもそうですが、イベント運営の皆様が感じているアウトドアの隆盛、キャンプブームへの向き合い方も勉強になりました。
椎名昔、キャンプしていた頃とは何もかも違うよ。
竹田アウトドアサミット会場でたくさんお洒落なギアが売ってましたしね。
椎名ギアとか言うなよ。我々がキャンプで使うデコボコ雪平鍋とか、段ボールの切れっぱしまな板とかもギアなのか、え!?
竹田クッカーとカッティングボードのことですね。
椎名ケッ。山行野営青空料理でいいんだ。
竹田ほんとですよね。言ってみたかっただけで、僕も昭和のキャンプが好きですよ。直接は関係ないけれど、新宿駅構内の「アルプス化粧室」って、かつての登山ブームを支えた人気急行列車「アルプス」の名残なんですってね。
椎名そうなのか、いいなあ。ビール飲める喫茶店はまだあるの?
竹田ベルクは健在です。まさか椎名さんベルクで一杯やってから急行アルプスに乗って……。
椎名そんなことはない。時代がちょっと違うんじゃないかな。まだあの店はなかった気がする。
竹田そうですか。しかし、新宿駅もどんどん再開発が進んでますが、「あずさ」は健在で松本に1本で行けるのはいいなあ。また行きましょう。今後は野営もいいですねえ。
椎名ギアは持ってくるなよ。
椎名誠:バカ旅サケ作家。名古屋場所が面白かったからビールがうまい。九州場所も楽しみだ。
竹田聡一郎:フリーライター。カープの歴史的失速に落胆したので旅に出ます。CSもNSも見ない。