136杯目:新宿3丁目まつり報告その2、バカたち集合編

136杯目

250尾のアジを2時間かけて捌いた隊員たち
東京都新宿区/内海裕之撮影
(CANON EOS-1D X Mark II)

竹田「雑魚釣り隊20周年記念 新宿3丁目まつり」の話の続きです。

椎名アジフライうまかったよ。ソースもいいけど、醤油もうまかった。

竹田新鮮なアジフライってふわふわですよね。塩もいいでっせ。

椎名誰が釣りに行ったの?

竹田ベンゴシ、童夢、快が川崎の中山丸さん。コンちゃん、太陽、竹田が鴨居大室港の五郎丸さん。2手に分かれました。

椎名釣れないと困るから?

竹田そうですね、リスクヘッジ。10周年の時もアジフライを参加者に提供する予定だったのですが、10数人で出港して4尾。惨憺たる結果でそのトラウマを払拭できていないんです。だから今回は事前に「アジフライ食えます」とも謳わなかったんです。

椎名釣れて良かったねえ。

竹田どっちの船も好調でした。コンちゃんの60尾超えを筆頭に、全員30尾オーバーっす。トータル250尾。

椎名すごいじゃないの。雑魚釣り隊とは思えない。

竹田隊長がそれを言うとは。

椎名船酔い持ちの君は大丈夫だったの?

竹田それなんですけれど、天野の汚い謀略なんです。

椎名どういうこと?

竹田あいつひどい船酔い持ちなのはご存知ですよね?

椎名うん、久米島の時に詳しく書いた。

竹田わしらは怪しい雑魚釣り隊 エピソードⅢ マグロなんかが釣れちゃった篇』(マガジン・マガジン)に載ってますね。今は新潮文庫で読めるのかな。あの時はひどかった。ちょうどそれくらいから、彼は船に乗って釣りするのを避けるようになって。

椎名そうだね。

竹田僕は船酔いはしますけれど、釣り自体はすごい好きなんです。ちょっとくらい気持ち悪くなっても楽しさが勝るので、できれば船にも乗りたい。でも下手なので夜の宴会にも直結する釣果とかを考えると、メンバーとのバランスを見て遠慮することも多かった。

椎名君が遠慮することなんかあるのか。

竹田遠慮配慮顧慮で生きてます。

椎名で、天野がなんなんだよ。

竹田船を仕立てたり、人員に余裕がある時は僕も乗りたいんですが、僕が前のめりになっている雰囲気を察知すると「竹田は船酔いするから行かない方がいいよ。キャンプ地を守らないといけないし」とかゴタクを並べて阻止しようとするんです。おそらく自分だけ乗らない状況を作りたくないんでしょうね。

椎名キャンプ地には誰も攻めてこないぞ。

竹田なんか「最近は高価なキャンプギアもあるから盗難も増えている」とか、タテマエを振りかざしてました。

椎名鍋釜が全部ボロボロのわしらのガラクタだらけの野営地なんて、むしろみんな近寄りたくないだろう。

竹田言ってやってください。ともかく、あいつの巻き込み船酔いみたいのがいつも嫌だったんです。だから今回は酔い止めも飲まず元気に5時間くらい釣り続け「俺もできるんだ!」と証明しました。楽しかった!

椎名偉いぞ。土曜日の昼に戻ってきて準備をしたの?

竹田そうです。氷でガチガチに冷やして「銀彗富運」(シルバースプーン)に預けて。

椎名トールの店か。あいつもよくやってくれたなー。地方組は?

竹田土曜の夕方に「池林房」で集合して、太陽さんがさくっと刺身にしたアジをつつきながら打ち合わせと準備です。

椎名アジの味見。

竹田え?

椎名なんでもないよ。続けてくれ。誰が来たの?

竹田まず愛知から天野。一番乗りで、17時集合に5分遅刻して僕が入ったらすげえ怒ってました。

椎名あいつはそんなに時間に厳しいの?

竹田昼過ぎに新宿に着いて、まずは『満月廬』で小籠包と肉焼売とエビと玉子の炒めを食い漁り、「もうちょっと時間ありそうだな」と16時前から焼き鳥「田むら」で鳥わさと串10本を食ってきたそうです。

椎名満足じゃないの。なんで怒るの?

竹田他のメンバーが5-10分くらい遅刻したから、「あと5分あればハツとツクネと皮も2本ずついけた」と。かなりネチネチ言われました。

椎名狂ってるな。大阪組は?

竹田ショカツが寝袋を携え阿波踊りしながら、さんぼんがわは相変わらず痛風でギクシャク歩きながら、それぞれ新宿に辿り着きました。あとは岡山に移住してブドウ農家になった岡本さん。

椎名ジギングの変態がブドウの変態になったのか。

竹田あの人って本当に良い意味で愚直というか、イベント後も友人のワインショップに寄って帰っていきました。

椎名へー。なんかすごいところに住んでるんだろ?

竹田そうなんですよ。僕は西日本に出張などあると寄るんですが、でっかい古民家を買ったんです。備前でも有数の庄屋だったらしく、母屋がでっかすぎてまだ手付かず、門に奥様と柴犬と住んでいる。

椎名門に住むのか。面白いな。今度遊びに行こう。

竹田ぜひぜひ。そうやって集った地方組で参加者名簿の最終確認やドリンクチケット作成などをしていたらトクヤさんが来てしまって。

椎名「来てしまって」ってひどい言い方じゃないか。オーナーなんだから当然だろう。

竹田だって翌日はイベント当日なのに「麻雀やろう」とか言い出したんです。

椎名あー、そういうことか。

竹田「SPACE 雑遊」のハコ代もだいぶ勉強してもらったし、ショカツはトクヤさんのビルに泊めてもらうこともあり、逃れられずちょっとだけやりました。

椎名バカだなあ。

竹田まだイベントの本編の話ができていない。次回に続く!

椎名誠:旅作家。6月は梅雨でジメジメするから嫌だね。相撲もないしつまらない。酒を飲むしかないじゃないか。

竹田聡一郎:フリーライター。6月は交流戦があっていつもカープは負けるが、今年はいい感じだ。広島に行ってきます。

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