135杯目:新宿3丁目まつり報告その1、歩留まりなめんなよ編

135杯目

ご来場ありがとうございました
東京都新宿区/内海裕之撮影
(CANON EOS-1D X Mark II)

椎名3丁目まつり、お疲れ様。いろいろありがとう。

竹田こちらこそありがとうございました。先月末に開催された「雑魚釣り隊20周年記念 新宿3丁目まつり」は、おかげさまで盛会でした。

椎名結局、何人が来てくれたの?

竹田「SPACE 雑遊」での第一部、トークとライブは70名プラスゲスト。「池林房」と「海森2」での第二部、サイン会と宴会は50名と30名。どの会場もイベント開催を考えるとキャパシティギリギリまで入ってくれました。

椎名ひええ。

竹田そこでちょっと参加してくれた良識あるシーナ読者に改めてお礼をお伝えしたくて。

椎名どうしたの?

竹田10年前、正確には9年前ですが、2015年の秋に10周年まつり「魚はある。酒も揃った。焚火はないが、さあ乾杯だ!」を開催したんですね。

椎名覚えているよ。あれが楽しかったから今回もやりたかったんだ。

竹田あの時って、今回より3箇所も会場が多かったですし、お客さんもイカチームとタコチームの2チームに分けさせてもらったりして、総参加者が200人を超えたんですよ。

椎名そうだったかー。すごいな。その時も太陽と竹田が仕切りだったの?

竹田そうです。太陽さんと相談して、さすがに200人以上の受付と精算、チケット発行は素人集団の雑魚釣り隊にはできないだろうと判断して、チケット代行業者にお願いしたんです。

椎名ぴあとか?

竹田e+(イープラス)です。担当者さんが椎名さんの読者で熱量を持って仕事してくれました。で、そういう代行業者に頼むってことは前金で精算できちゃうので、当日に扱うお金も少ないし、何よりもキャンセル、つまり来ない人がいても、収支の計算が立つわけです。

椎名なるほど。

竹田今回、太陽さんが経理全般を担当してくれたのですが、彼がそろばんを弾いたところ、みなさんからチケット料金をいただき、準備にかかった諸経費と「SPACE 雑遊」と「池林房」と「海森2」にハコ代などを払うと、ほぼ収支がとんとんだったんです。

椎名ふーん。

竹田だから当日キャンセルをされてしまうと、それが丸ごと赤字。そんな緊張感と不安がありました。

椎名やたらと天気を気にしていたのは理由があったのか。

竹田そうなんです。前日の釣りもあったし。

椎名キャンセルはあったの?

竹田それがですね、ほんの若干数のみありましたけれど、95%の方が予定通り、というか予定していた受付時間よりかなり早くから来てくれて、すべてのスケジュールがオンタイムで運営できました。

椎名うん、素晴らしい進行だったよ。

竹田第一部の受付が12時からだったのですが、その頃にはちょっとした行列になっていました。ちょうど昼時で並びにある焼肉の名店「長春館」の行列と勘違いした人もいたとか。

椎名ははは。

竹田有料イベントにおける、いわゆる「歩留まり」って、せいぜい70%から80%前後なんですって。

椎名そんなもんなのか。

竹田もちろん規模やイベントの性質にもよるでしょうけれど、実は太陽さんが作ってくれた予算シートを見て「これ収入の見積もり甘くないかい?」と僕は指摘したんです。そしたら太陽さんは「椎名さんのイベントって歩留まりが異常に高いと聞いている。だから大丈夫!」と断言していて。

椎名誰に聞いたの?

竹田太陽さんは去年の春に、読売広告社から独立しましたが、その先輩方です。岩切靖治さんにはじまり、雑魚釣り隊の重鎮でもある西川良さんとか西澤亨先輩とか、椎名さんのイベントを手掛けてきた人々が連綿と申し送りしてきたのでしょうね。そのあたりは『新宿遊牧民』(講談社)あたりを読むのがいいかもしれませんが。

椎名そうかあ。

竹田あれ、泣いてます?

椎名めっきり涙もろくなってしまった。良ちゃんなんて、イベントいたらきっともっと面白かったもんな。

竹田惜しい人を亡くしてしまいましたね。でも、良ちゃんいたら「仕切りが悪い」とか太陽さんや俺は怒られそうで怖い気持ちもあります。

椎名そうかもなあ。

竹田イベント当日の振る舞いも含めて、参加のみなさまは本当に本が好きで椎名さんが好きな最高のお客さんでした。みなさんと友人としてまた乾杯したいです。改めてありがとうございました。

椎名そうかあ。やって良かったなあ。

竹田本当です。ただ、付け加えると、応募のメールをいただいた後に、予定が変わったなどでキャンセルした方も残念ながらいらっしゃったのですが、みなさましっかり連絡をしてくれて。だから混乱はなかったです。そちらのみなさまにもどこかでお会いできれば、と思っています。

椎名アジフライがうまかったから、釣りの話を聞かせてくれよ。

竹田そのつもりだったんですが、歩留まりの話だけでだいぶ長くなってしまった。椎名さん泣くし。

椎名泣いてない。

竹田では次回は、釣行&準備編にしましょう。

椎名誠:旅作家。6月は梅雨でジメジメするから嫌だね。相撲もないしつまらない。酒を飲むしかないじゃないか。

竹田聡一郎:フリーライター。6月は交流戦があっていつもカープは負けるが、今年はいい感じだ。広島に行ってきます。

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