131杯目:大型連休の麦酒飲み話

132 のコピー

こんくらい空いている場所なら出かけてもいい
滋賀県竜王町/椎名誠撮影
(FUJIFILM FinePix S3Pro)

竹田うおお、働きたくないです。

椎名いわゆる五月病か。

竹田そんなもんと一緒くたにしないでください。僕は年がら年中、働きたくないのです。お金ください。

椎名バカめ。

竹田椎名さんは連休、何をされていたんですか?

椎名なんにもしてない。

竹田ナマケモノじゃないんだから。

椎名ナマケモノは怠けているわけじゃなく、無駄な動きをせずにエネルギー消費を抑える賢い動物なんだぞ。怠け者は君だろう。

竹田ぎゃふん。ずっと家にいたってことですか?

椎名そうだねえ。原稿仕事を終えると、天気も良かったから塩辛を食べてビールを飲んでいた。

竹田アル中ナマケモノ……痛い! 逆水平チョップはやめてください。

椎名どうせどこに行ったって混んでるよ。連休前に新宿で飲んだけれど、ものすごい人だった。池林房も満員だった。街に活気があるのはいいことだけどね。

竹田僕も連休前に浪曼房に行ったら混んでました。トクヤさんもウハウハですねえ。あの人、最近は麻雀も好調です。

椎名あいつこの頃、強いらしいな。君は何をしてたの?

竹田前半は浮き球野球に参加したり、トクヤさんに跳満をツモられたりしてました。仕事もちょっとだけ。後半は富山に行きました。

椎名何をしに?

竹田ホタルイカです。

椎名ああ、恒例の獲れないやつか。

竹田恒例とか言うのやめてください。春の富山キャンプは恒例だけど、獲れないのは恒例じゃないっす。過去のことは 35杯目あたりにも書いたのですが、いつも運と潮と天野が悪いんです。

椎名それで今年はどうだったの?

竹田東京から三嶋、太陽、竹田の独身トリオと、快夫婦。大阪からはショカツ一家が富山の海岸に集ったわけです。

椎名大所帯じゃないの。

竹田旅先で友人やその家族と乾杯するのは何にも代えがたいシアワセであります。突然、名古屋から天野も来て、繁華街で寿司と肉団子と夜鳴きそばを食って帰りました。海岸には来なかった。

椎名それでホタルイカは?

竹田快晴で海は凪。風はそよそよ。振り返ればまだ雪を冠した立山連峰が見えました。

椎名ホタルイカは?

竹田ビール冷え冷え。ワインぐるぐる。言うことありませんでした。

椎名かわいそうに。また獲れなかったのか。

竹田それがですね。今年は当たり年だったんです。網果!

椎名もうか?

竹田だって、ホタルイカは網で掬うから。

椎名そんな言葉があるのだろうか。

竹田タモガシラは快でした。短パンでザブザブ海に入ってバシバシ掬ってました。

椎名良かったじゃないの。

竹田キャンプでは釜茹で、アヒージョ。ニンニクたっぷしで、締めにパスタをぶち込みました。

椎名いいではないか。雑魚釣り隊でもアヒージョにしたっけ?

竹田そうですね。『おれたちをまたぐな! わしらは怪しい雑魚釣り隊』(小学館)に紀行が載っていますが、あの時はもっと獲れた気がします。

椎名で、お裾分けは?

竹田椎名さん、ホタルイカ好きですっけ?

椎名イカとタコはなんでも好きだよ。ホタルイカは塩辛にしたい。

竹田そうすか。でも、持ち帰ってきたぶんはペペロンチーノと炊き込みご飯にして食べちゃいました。

椎名もう1回、富山に行ってきてくれ。

竹田それもいいなあ。富山は良い街です。来年は1週間くらい滞在したいっす。

椎名筋金入りだねえ。

椎名誠:ビールばっかり飲んでいる旅作家。近著『続 失踪願望。さらば友よ編』が集英社から好評発売中なので生ビールで乾杯だ。

竹田聡一郎:ビールばっかり飲んでいるフリーライター。『続 失踪願望。さらば友よ編』の取材に同行してビールばっかり飲んでいた。

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