出版社:文藝春秋
発行年月日:2011年05月15日
椎名誠 自著を語る
またもや出てきました赤マントシリーズの単行本。ちょうどこの時期、福島原発の事件が起き、あのすさんだ情報環境の中でこの本の編集仕上げをしていた。タイトルをつけねばならなかったが、どうも今までの路線で脳天気なワニだのハリセンボンだのを出してくる気にもならず、かといってシリーズの中でこの本だけ妙に深刻なタイトルというのも変なので、どうせなら明るい路線で行こうと思った。そのとき頭に浮かんだのが「青空ひとりきり」という井上陽水の歌で、あれは長崎の鐘の音と同じように青空は決して楽しく美しい気持だけで眺めているものではない、というイメージが頭をかすった。このタイトルは、まあそれとは似ても似つかぬところで中途半端に決めてしまったが、時に青空を見てごっくんとビールを飲む気持ちをいつも持っていたいという思いを込めた。
ごっくん青空ビール雲
発行年月日:2013/10/10
文庫