121杯目:ざわわの島にヤツらがわざわざやって来てざわざわした
空は青く海も青く雑魚釣り隊はアホだった
沖縄県宮古島市/竹田聡一郎撮影
(“チェキ” instax mini 90 ネオクラシック)
竹田宮古島旅、お疲れ様でした。
椎名久しぶりのアホバカムダ合宿で疲れたけれど、楽しかった。
竹田我々雑魚釣り隊もその「無駄合宿」を日本全国、時にはアジアに出かけてまでしてきましたけれど、今回はどの媒体にもその行程が載らない、正真正銘の無駄合宿でしたね。えへん。
椎名エバることではないけれど、贅沢なことではあると思う。何人来たの?
竹田椎名隊長はじめ14人が南の島で雑魚寝です。
椎名なんで来たの?
竹田え、忘れたんすか? 昨秋に盛岡で『サヨナラどーだ!の雑魚釣り隊』(小学館)の刊行イベントやったじゃないですか。
椎名うん。冷麺を食べた。
竹田ここの105杯目でもバカたちの盛岡旅を紹介しましたけれど……。
椎名ああ、君がアホみたいに酔って財布を落とした時か。
竹田なんでそんなことだけは覚えているんだ。そう、その時に三田農林さんが提供してくれた古民家に何人か宿泊して、「やっぱり俺たちは合宿だよな」という話になり、椎名さんが毎冬、文学賞の仕事で宮古島に行くから「よおし、俺たちも行くぞ」とオダを上げまくりまして。
椎名君らはなんの関係もないだろう?
竹田だから椎名さんに確認したんすよ。「2月の宮古島に向けて具体的に動きますよ?」って。そしたら「やってくれ。島らっきょうで泡盛をキメよう。マグロも忘れんな」と。
椎名そうだっけ。
竹田そうです。ということで椎名さんが宮古島文学賞の仕事を終えたあと合流して大宴会、と。集英社で『失踪願望。』を担当している武田女史もやってきて。
椎名賢いほうのタケダさんな。
竹田19杯目参照、しなくていいや。とにかくその武田さんが『失踪願望。』続編の撮影のために那覇から“タルケン”こと南方写真師・垂見健吾さんを招聘し、さらに大所帯に。
椎名去年、出した写真集(『めくってもめくってもオキナワ』/CONTE MAGAZINE)のプロモーションで忙しいだろうに、来てくれたもんなあ。
竹田僕ら雑魚釣り隊にとってはタルケンさんは大先輩で、ほとんどの隊員は『波のむこうのかくれ島』や『風のかなたのひみつ島』(いずれも新潮社)あたりの読者なので、お会いするのは緊張しました。
椎名気さくないいおじいだよ。長野生まれだけど。
竹田意外ですよね。島人のイメージしかない。THE BOOMの宮沢和史パターン。
椎名タルケンに会えて嬉しかったのもあって、よく飲んだ。
竹田多良川、沖之光、宮の華、ニコニコ太郎に菊之露!
椎名あいつらのいいところはさ、勝手に無制限で飲むだろ。
竹田遠慮というものを知りませんからね、彼ら。
椎名君がその筆頭隊員だよ。
竹田お褒めに預かり恐縮です。
椎名飲みたいものを好きなだけ飲んで眠くなったら寝る。合宿宴会の醍醐味を久しぶりに味わった。
竹田ここで細かく説明するまでもない、オリオンビール誤飲事件とか、マット独占禁止条例違反とか、妖怪廊下寝酒とか、細かい出来事や諍いはあったのですが、それでもまあ友好的な合宿ではありました。
椎名釣りにも行ったんだろ?
竹田今回、雑魚釣り隊釣り部の両エースである、海仁は愛犬に、コンちゃんは愛妻にそれぞれ吠えられて不参加だったんです。なので1.5軍と揶揄されたメンバーが出船し、グルクンなどを仕留めたものの、やや不本意な釣果ではあったようです。
椎名グルクンの唐揚げはうまかったよ。
竹田椎名さんは珍しくモリモリと食べてましたね。マグロやイカのヅケで白飯も食べてた。
椎名雑魚釣り隊の連中といると、「今すぐに食わないとなくなってしまう」という危機感が常にある。
竹田確かにトクヤさんはヅケを、健太郎は豚肉の味噌漬けを、ショカツは島らっきょうを、みんな好物を隠し持っていた。やっていることは犬と変わらない。
椎名君だってパッションフルーツをこっそり確保していただろう。
竹田なんでそんなことばかり覚えているんだ。多良川のパッション割、うまかったなあ。
椎名なんだか食ったものと飲んだものを列挙をしているだけで、すごいバカっぽいな。
竹田事実だから仕方ない。では次回はそこで何を見い出したか、深掘りしてみましょう。
椎名掘れるのか、おい!
椎名誠:バカ旅酒飲み作家。冬期は鬱が待っているので宮古島にニゲル。オリオンビールと菊之露とゆし豆腐。
竹田聡一郎:フリーランスの麦酒ライター。北海道取材でしばれた身体をあたためるためシーナを追って宮古島へ。