出版社:講談社
発行年月日:2010年02月17日
椎名誠 自著を語る
1984年に情報センター出版局から出した『風景進化論』、さらに1986年に本の雑誌社から出した『海を見にいく』といった写真に文章をつけるというスタイルの本は、何年かに一度というスローペースながら出版され、着実に自分の思う路線を固めてきつつあった。この本は、キャノン本社のプロフェッショナルブースで同じタイトルで写真展を開いてくれることになり、ならば全く同じ作品で写真と物語の本をつくりたいと思ったものだ。けっこう長い時間をかけたが、ひとつひとつの写真を選び、紙芝居のようにおはなしをそこについていくというスタイルが、自分の中ではいよいよそれなりに確立してきたような手ごたえを感じた。