114杯目:あばよ2023年

114杯目

シーナとメグロ
東京都千代田区/竹田聡一郎撮影
(“チェキ” instax mini 8)

竹田今年も暮れでござんす。

椎名除夜の鐘が聞こえてくるようだねえ。

竹田そうですか。でも、椎名さんは花より団子よりビール的ヒトなので、そういう風物詩的なものに興味がないのでは?

椎名行事にしっかり意図がある大晦日や新年は割と好きだよ。日本文化と本来はあまり関係ない仮装パレードみたいなやつ、なんだっけ?

竹田ハロウィン。

椎名あれは今もっとも日本でバカげたものだけれどなあ。

竹田お盆みたいなもんですからね、本来は。ではハロウィンは抜きまして、2023年のニュースを振り返ってみます。

椎名痛ましい事故とか、くだらない事件とかは挙げないでくれよな。最近は神経が繊細になってしまった。

竹田僕らにとっては椎名さんのその変化も大きなニュースだったりします。暗い話題は避けたいけれど、それも難しいんです。1月にはとっても悲しいニュースがありました。高橋幸宏さんや目黒考二さんの訃報です。

椎名そうだねえ。今年は特に辛いことが多かった。目黒のことは今まとめて書いてます。

竹田分かりました。ではその原稿を待ちます。

椎名いいニュースはないの?

竹田通信社や新聞社のまとめをチェックしたのですが、ロシア・ウクライナ情勢、円安、物価高関連の話題が多いですね。新型コロナウイルスが5類感染症に位置づけられたことが、いいニュースといえばいいニュースかな。

椎名うーん。

竹田あとはスポーツ界、特に今年は野球がすごかった。WBC優勝と、そこでMVPに輝いた大谷翔平選手は世界でもっとも稼ぐアスリートになりました。

椎名それらのニュース自体には驚嘆したしとても喜ばしいのだけど、テレビがあまりにも品のない取り上げ方しかしないので、ケチがついてしまったように感じている。

竹田同感の人も多いのかな。椎名さん、テレビ嫌いなんだから見なければいいのに。

椎名嫌いなんだけれど、見てしまう。

竹田クサヤみたいなもんですかね。臭いけどうまい。

椎名違うよ。

竹田あ、そうすか。藤井聡太竜王の活躍もありました。

椎名しかし「竜王」なんて呼ばれて「はい、なんでしょうか」などと返事をするのだろうか。「うむ、我こそは竜王である」とか言うのかな?

竹田囲碁には「永世本因坊」という称号があったりしますが、取材する側としては囲み取材とかで毎度、称号呼びするのかな、とか想像してしまう。

椎名ボクシングの現場では「チャンプ」とか「チャンピオン」とか、相撲中継でも「大関」とか「横綱」と声をかけている。そう考えると違和感はないよね。

竹田あー、確かに。そういえば藤井竜王は椎名さんの『アド・バード』(集英社)を愛読書に挙げているようですね。

椎名嬉しいことですねえ。

竹田かなり大人びた渋いチョイスですよね。

椎名竜王だからな。

竹田関係あるんすか、それ。

椎名あとはどんなニュースがあったの?

竹田ロクなもんじゃないっす。福島の原発処理水、ジャニーズの性被害問題、パレスチナ自治区ガザ地区での軍事衝突、自民党内の政治資金パーティー疑惑……。

椎名もういいや。

竹田なんでこんなことになっているんでしょうね。

椎名世界情勢は置いておくとして、日本国内に関して言えば政治は悪いよな。良くしようと政治家も国民すら思っていないんじゃないかな。まともなのは竜王だけだ。

竹田竜王って言いたいだけでしょう。

椎名来年はもうちょっと明るいニュースが聞きたいもんだね。

竹田本当ですね。みなさま、良いお年を。

椎名良いお年を。

椎名誠:旅する酒飲み作家。2023年はけっこう苦しい年だった。

竹田聡一郎:旅する麦酒ライター。2023年はまあまあ良い年だった。

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