月夜にはねるフライパン のコピー

出版社:新日本出版社

発行年月日:2023年05月20日

椎名誠 自著を語る

酒を飲めば、ついでにいろんなものを食べるというところから、世界中でいろんなものを食ってきた。グルメとかいうよくわからないレベルのものは関係ないので、腹がへったらそこら(その地域)にあるおいしいものを分け隔てなく食べてきた人生だった。『女性のひろば』という、ちょっとぼくとはストレートにイメージがつながらない雑誌の連載「おなかがすいたハラペコだ。」で、行く先々でのおいしい食べ物、これまでの人生で遭遇したうまい食い物の話を大バカエッセイとして書いてきた。30編ほどがたまると単行本にしてくれる。第一巻がその連載タイトルと同じ『おなかがすいたハラペコだ。』、第二巻『おかわりもういっぱい』、第三巻『あっ、ごはん炊くの忘れてた!』に続く今回は第四弾。夫婦とおぼしき二人がコウモリが飛び交う月夜でフライパンやフライ返しを振り回して戦うイラストが、この連載のイラストレーターの西巻かなさんによって品よく面白く描かれている。ぼくはなぜかフライパンにこだわりがあり、それにまつわる話を他にもいっぱい書いた記憶がある。

旅する文学館 ホームへ