出版社：集英社
発行年月日：2022年11月30日
椎名誠 自著を語る
2020年に出た『遺言未満、』（集英社）に続くものとして企画された。どちらもやや衝撃的なタイトルだが、鬼才編集者の鋭い視線と包容力によるもの。ぼくはその指示、コントロールのままに日記とか短い文章を書いたりして、それを繰り返しているうちにキリキリとした一冊にまとまった。自分のことを表面に出すのはなかなか難しいものがあるが、日記という形態で自己表現をすることは興味があった。私小説とは違って実際に体験したこと、起きたことなどを、改めてくくり直す長いスパンの日記というスタイルは案外すぐに取り込んでいけたし、それらの内容からいろいろに細かいストーリーを派生させる、自分でも意外な面白さがあった。頼りになる助っ人チームに感謝。
