47杯目:課題図書とロボット

47杯目

ブリキではないが、こういうのも価値が出るのかも
東京都千代田区/椎名誠撮影
(“チェキ” instax mini 90 ネオクラシック)

竹田 夏休みですなあ。

椎名 宿題やったかあ?

竹田 それがけっこう原稿が残ってて。

椎名 すぐやりなさい。

竹田 はい、面目ない。椎名さん、原稿すぐ書くもんなあ。

椎名 ものによるけどね。

竹田 夏休みの宿題などはさっさとやるタイプでしたか?

椎名 どうだろうなあ。工作が好きだったから、それだけは素早く取りかかっていた覚えがあります。

竹田 工作! 何を作っていたんですか?

椎名 ロボットに決まっているだろう。

竹田 いや「決まっている」と言われても知らんです。いつごろですか? 材料は?

椎名 木工が好きだったんだ。木屑を近所の材木屋とかにもらったんだっけなあ。覚えてないけれど、木と輪ゴムをたくさん使って可動を安定させた記憶がある。だから中学生くらいかな。けっこう手先は器用なんだ。

竹田 見たいな、その作品。この前、仙台文学館であった「椎名誠 旅する文学館 in 仙台 2022」では展示がなかったですね。

椎名 あるわけない。作家活動とは関係ないからね。

竹田 のちに大いに関係してくる、定番の読書感想文を書いた記憶はありますか?

椎名 ないなあ。あれっていつ頃からはじまったものなの?

竹田 全国学校図書館協議会と毎日新聞が主催している「青少年読書感想文全国コンクール」がこの夏で第68回を迎えたようです。だから1950年代半ばくらいにはもう読書感想文というものは存在していたハズ。木工少年マコト君の記憶にはなかったということですね?

椎名 そうだねえ。

竹田 作家になって著作が課題図書に指定されたこともありますよね?

椎名 あると思う。本が売れるからありがたいことだね。

竹田 ああいうのって帯が変わったりするじゃないですか。「コンクールの指定図書になりましたよ」とか版元から連絡を受けたりするんですか?

椎名 どうなんだろう。事務所宛に来るのかもね。担当者がわざわざ連絡くれることも時々、あるなあ。大賞を取った作品を読ませてくれることもある。

竹田 作家冥利に尽きますねえ。

椎名 でも、いま話してて思ったんだけどさ。

竹田 はい。

椎名 ゴムを動力としてロボットを作るって、なんだかロマンがあるよなあ。我ながら悪くない少年時代を過ごしていたんだな。

竹田 東京新聞のコラム「過ぎし楽しき千葉の日々」を読むと喧嘩ばっかりしているから、同じ少年とは思えないけれど。

椎名 それは言えるな。

竹田 というか、椎名さんは文系のヒトだからメカとかロボットに興味があるのは意外でした。

椎名 ロボットは今でも好きだよ。

竹田 そうか。SFにはよく出てくるし、椎名さんの好きな映画『ブレードランナー』なんて、ど真ん中ですもんね。

椎名 そうそう。あとは「なんでも鑑定団」が好きなんだけど、あれで時々、ブリキのロボットが出品されるんだけれど、割といい値がついたりする。なぜか嬉しくなるなあ。

竹田 どういう要素で値段が高くなるんだろう。

椎名 作られた年代や個数、保存状態はもちろん、箱があるかなども重要らしい。

竹田 詳しいな。

椎名 なめんなよな。

竹田 いくらくらいになったりするんですか?

椎名 10万とか20万とかになってた気がする。

竹田 そういや、父親の実家の脇に蔵があったな。

椎名 親父さんの実家どこなの?

竹田 鳥取です。鳥取の山間部。今年の夏は鳥取サルベージだ!

椎名 それより先に原稿を書きなさい。

竹田 ぎゃふん。

椎名 ギャグが古いね。

椎名誠: バカ旅サケ作家。最近、朝メシの重要性に気づいた。生野菜モリモリだかんな。

竹田聡一郎:スポーツ、旅などを中心に取材するフリーライター。カイピリーニャを飲みまくる夏。

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