38杯目:仙台のシーナ展

38杯目

建造物としてもユニークで楽しい仙台文学館
宮城県仙台市/竹田聡一郎撮影
(“チェキ” instax mini 8)

 

竹田 シーナ展、とても楽しかったっすね。正しくは「椎名誠 旅する文学館 in 仙台 2022」ですが。

椎名 我ながらいろいろ書き散らしてきたから、どういうふうにまとめてくれるかは楽しみだったんだ。写真もたくさん使ってくれてありがたかったし、天気も良かったしビールもうまかった。

竹田 あんまりネタバレはしたくないんですが、取材ノートのコピーが展示されているじゃないですか。

椎名 うん、あったね。

竹田 僕も一応、モノカキの端くれなので感じたのですが、ああいうの見られるの嫌じゃないですか?

椎名 そんな気にならないな。自分でも読めなかったりするし。

竹田 え、そういうもんですか?

椎名 うん。焦って書いている時なんかつなぎ字みたいになっていて特に読めない。

竹田 あー、それは俺もあるかもしれない。今回の展示でも読めるページも多いんですけどね。「朝6時に起きる。めしはパンとスープ」みたいに細かく書いていることもあれば、断片的なページも多い。

椎名 「卵焼き、たわし」とか書いてあってもなんの取材をしたかも分からない。

竹田 ああ、それも取材ノートあるあるなのかな。

椎名 でも、名詞だけ並べるとなんとなく物語にはなるんだぞ。

竹田 卵焼きとたわしで?

椎名 それはいま、適当に言ったけど、「よこはま、たそがれ、ホテルの小部屋」とかそうだろ?

竹田 確かにあれは名詞9連発だ。

椎名 な。「水割り、行きずり、古い傷」だってそうだぜ。

竹田 なにが「な」なのかよく分からんですが、シーナ展の話に戻します。トークイベント「旅と人を語る」も盛況でしたね。傍聴券はけっこうな倍率だったそうです。

椎名 傍聴って言うなよ。でも、久しぶりの東北だったから懐かしい顔にも会えた。

竹田 90分とけっこう長めでしたけど、時間が足りないくらいでしたね。

椎名 仙台文学館が図録を作ってくれたから、それに沿って楽しく話ができたなあ。

竹田 すごいきれいにレイアウトと装丁してくれてましたね。シーナ作品からの引用箇所とか、写真についているキャプションなどからすごい愛を感じました。でも、トークショーの時に手元にない方もいらっしゃたのでそれは少し気の毒でした。

椎名 うん、話を始める前に「これを使いますよ」とあらかじめ伝えようかなとは思ったんだけど、買ってくれってことになっちゃうから、それも申し訳なくて。

竹田 なるほど。なんかそういう手口のセミナーとかありそうだ。意外といろいろ考えてらっしゃるんですね。

椎名 気遣いだけが取り柄ですから。

竹田 ……。実はトークショーの前日から仙台入りしていたんですよ。

椎名 ふんふん。

竹田 五月晴れの連休で本当に気持ち良かったから仙台駅からずっと歩いて。

椎名 どれくらいかかった?

竹田 距離にして6-7kmくらいなので、のんびり歩いて2時間くらいのはずだけれど、途中にあった「ミートヒバチ」でハンバーグ食って2杯ビール飲んだので3時間でしたね。

椎名 それはいい休日だな。

竹田 気持ち良くなって、仙台文学館に到着したんですが、ロケーションがまた良かった。

椎名 あれって山の中にあるの?

竹田 台原森林公園という大きな公園に併設されている感じなんですよ。台原森林公園は昭和48年に開園した全国に10ある明治百年記念公園の1つらしく、森は深く緑は鮮やかで歩いていて楽しかったです。文学館の裏手からも林道が続いていて、それが途切れるとシーナ展の案内看板が出てたりして、幻想的でもありました。シーナ展の会期は6月26日までなので、森林公園も含め多くの人に訪れてもらいたいっすね。

椎名 みんな走って行くように。

竹田 走る必要はないですが、台原森林公園経由のウォーキングは本当にオススメです。健脚の方は仙台駅から。地下鉄南北線の台原駅か旭ヶ丘駅からでもプチトレッキングは十分に楽しめます。歩きやすい服装でぜひ!

椎名誠: バカ旅サケ作家。五月場所は若隆景の快進撃がまた観たい。

竹田聡一郎:ビールと広島カープとシベリアンハスキーが好き。

 

旅する文学館 ホームへ