34杯目:続・杜の都にこらっせ

44杯目写真

今回の展示に選出されなかった自宅のガラクタ
東京都中野区/椎名誠撮影
(“チェキ” instax mini 90 ネオクラシック)

 

竹田 ついに始まりましたぜ!

椎名 どうした、喧嘩か、火事か?

竹田 江戸じゃないんだから。シーナ展ですよ。仙台の。

椎名 ああ、そうか。今週からだっけ。

竹田 そうです。23日から、6月26日という2ヶ月を超える特別展です。

椎名 ありがたいことだ。

竹田 既に現地に行った方から展示について「お宝なのかガラクタなのか分からなくて、そこが面白かった」という感想が届いています。

椎名 ううむ、嬉しいけれど、褒められているのかどうか難しいところだ。

竹田 どうやらガラクタっぽいものにもしっかりエピソードなどを補足してくれているらしいのです。図録も作成してくれたようなので買おうと思います。

椎名 それは興味深い。

竹田 実は先日、担当者さんにご挨拶させていただいたのですが、今回の特別展について「旅に関する文章のなかでも『ここを読んでほしい!』というところを魂こめてピックアップしています。なかなか旅に出られない今日この頃、椎名さんの文章を味わっていただき『旅っていいなー』とか『世界は広いなあ』とか改めて感じていただければ」とのこと。

椎名 俺も挨拶させてもらったけれど、職人気質の熱心な方だったね。

竹田 もう締め切られてしまいましたが、5月4日のトークイベント「旅と人を語る」も応募が多く、なかなかの倍率だったようです。

椎名 久しぶりに仙台に行くので楽しみだよ。

竹田 以前もそんな話(27杯目:杜の都にこらっせ)をしましたが、前後でどっか行きましょうよ。

椎名 最近、また写真を撮りたい気持ちになっているんだ。だからついでに東北を旅したい。

竹田 いいですね。海も山も川も酒も飯も豊かな東北! どこ行きますか。

椎名 ちょっと考えておくけれど、やっぱり海が見たいなあ。仙台からだと七ヶ浜とかいいかもしれない。

竹田 僕も行ったことあります。いいところですよね。

椎名 何度か講演させてもらったけれど、高台にある講演会場からの景色が美しかった。

竹田 それはおそらく「七ヶ浜国際村」ですね。

椎名 そうそう。大ホールの舞台の後方にカーテンがあって、そこが開くと大きな窓から海が見えるんだよ。

竹田 へえ、すごいアイデアですね。

椎名 他にも水上に野外劇場があって楽しい場所だった。

竹田 七ヶ浜からそのまま北に向かって陸前高田や宮古もいいですな。個人的には三陸鉄道に乗りたい。

椎名 南に下りてもいいかもな。

竹田 福島! 飛露喜に寫楽に楽器正宗!

椎名 どこかで講演した時、ワンサに会ったのをちょうど最近、思い出したんだ。

竹田 ワンサ!『犬から聞いた話をしよう』(新潮社)に詳しく載っていますが、石垣島から福島へ移った数奇な犬生を過ごしたスター犬ですね。郡山の講演だったと弊サイト「椎名誠の仕事 聞き手 目黒考二」で目黒さんがおっしゃっています。

椎名 ワンサは仙台にも来た記憶があるんだよな。ステージの上で大勢の拍手で迎えられて怯えていた姿を覚えている。

竹田 へえ、いいなあ。会いたい犬だなあ。でもなんでワンサのことを思い出したんですか?

椎名 ガクのことを思い出して、その流れだ。

竹田 あぁ、カヌー犬・ガク。野田知佑さんの訃報は本当に残念でした。

椎名 すごいカッコいい人だった。人として大事なものを教えてくれた人でもあった。

竹田 追悼原稿などは書いたんですか?

椎名 ちょっとだけ。書いても綺麗事や美談として読まれてしまうのに抵抗がある。

竹田 野田さんと椎名さんは本当に深い関係だったからこそ、意見が合わなかったりしたこともあったってことですか? だとしたらそれを含めてまっすぐに書いた原稿を読みたいです。

椎名 同じことを編集者にも言われたよ。どこかでまとめて書くよ。

竹田 楽しみにしてます。話を戻して東北旅、楽しみですね。

椎名 仙台は東北の玄関口というだけあって、今話した南北だけでなく、西に行っても山形でワンタンメン食えるし、旅の起点として素晴らしいロケーションだよね。

竹田 山形! 初孫ばくれん十四代!

椎名 君の頭の中は酒のことばかりだねえ。

竹田 椎名さんだけには言われなたくないっす。

椎名誠: 自称バカ旅サケ作家。酒についてのアンソロジーを編纂中で、最近は特に酒のことばかり考えている。

竹田聡一郎:フリーライター。広島カープのファン。まん防も明けたしむさしの「若鶏むすび」持ってズムスタでスクワットじゃけえのう。

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