出版社:文藝春秋
発行年月日:1996年10月25日
椎名誠 自著を語る
仕事柄いろんな人と対談をすることが多い。対談はテーマと相手の人の感性がこちら側のそれと合致しなければなかなか難しいものがある。たとえば開高健さんと一度対談したことがあるが、2時間の中で95パーセントぐらい開高さんがしゃべっていて、対談として成立しなかったことがある。女優さんとも何人かと対談したことがあるが、こちらがあがっていたり、聞き方が悪かったりで、返ってくる答えが非常に正しすぎたりいかにも作られたそれっぽいものだったりして、やはり達成感は少ない。その中で唯一、いつ話しても面白く、こちらも自然に面白くて楽しい話を引き出されてしまうのが東海林さだおさんだ。この本はあちらこちらの雑誌で東海林さんと対談したものを一冊にまとめたもので、それ以降もいくつか東海林さんとの対談集が出ている。目次をみると食べ物について語っているのが半分ぐらいあるから、まあ、話も発展するというものだ。その中に「魚介月旦」という章があり、つまり魚たちを人物になぞらえるという手法だが、この対談をした当時のダイナミックなおかしさが我ながら強烈な刺激となり、その後出した「雑魚釣り隊」の本の中にこの章だけ再録した。今読んでもぼく自身笑ってしまうのは、やはり東海林さんの笑いの奥深さが存分に発揮されているからなんだろうと思う。 (2011年 椎名誠 語りおろし)
シーナとショージの発奮忘食対談
発行年月日:1999/09/10
文庫(『人生途中対談の改題・文庫化)
大日本オサカナ株式会社
出版社:朝日新聞出版
発行年月日:2012/1/30
文庫(『人生途中対談』改題、『シーナとショージの発奮忘食対談』の改題・再文庫化)