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出版社:集英社

発行年月日:2020年10月10日

椎名誠 自著を語る

自分自身の子供時代、父や母、そして家族はどんな状態だったのかという、思えば私小説で最も初めに書くようなテーマのものを大分たってから書き出したのが『家族のあしあと』だった。書き終えても話は四方八方にひろがり、そのままそれだけを本にしたのでは読者も腰の据わりが悪いのだろうな、ということに気がつき、その続編として出てきたのがこの一冊だ。 自分の子供時代のことを書くのは思った以上に懐かしく、やるせなく、当然のことながら、ああ、自分は家族と共に、家族の元に生きて成長してきたのだなあ、そして今はもう自分を育ててくれた家族はほとんど跡形もなく消えてしまっているという当たり前のことに気がついたのだった。

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