出版社:集英社
発行年月日:1985年05月20日
椎名誠 自著を語る
私小説路線の第一作。その前に『小説新潮』では時々書いていましたが、開き直って実名で書いたのはこれが初めてです。その後、この本は世間に広まっていったけれど、そもそもは自分の本の片隅に位置する作品という感じで出したんです。装丁も静かでしょう。しかし結果的にこれはぼくにとって『さらば国分寺書店のオババ』『哀愁の町に霧が降るのだ』に続く三作目のエポック・メイキングな作品となりました。後年、大きくなった岳はこれを読んでずいぶん怒っていましたね。まあ、自分のことを勝手にあれこれ書かれているのだから、怒るのも無理はないな、と書いたぼく自身、思います。この作品は国語の教科書に載ったり、試験問題の材料になったりした関係で、すごく若い人から感想を寄せられることが多いんです。ぼくの文章をこの作品で初めて読んだという人も結構いるようです。またこれは英語版も二冊出ていて、訳者は同じ人ですが、異なるタイトルで出版されています。しかし、こんなにも広く読まれることになろうとは、書いていた当時は夢にも思わなかったですね……。(椎名誠 新潮文庫 1996年『自走式漂流記1944〜1996』より)
岳物語
発行年月日:1989/09/25
文庫
岳物語 My Boy A father’s memories
出版社:講談社インターナショナル
発行年月日:1992/11/00
定本 岳物語
発行年月日:1998/08/10
出版社:クリーク・アンド・リバー社
発行年月日:2014/11/5
電子書籍