出版社:徳間書店
発行年月日:1983年06月30日
椎名誠 自著を語る
専門誌『SFアドベンチャー』から依頼が来た時は嬉しかったなぁ。SFとしては粗削りであっても、椎名SFの原型となる記念すべき本ですね。タイトルが決められなくて、村松友視さんに相談。「“なんとかがきた”っていいよね」と言われ、「シークっていう名前が好きなんですけど、“シークがきた”ってどうでしょう」と言うと、「あっ、それいいねぇ」なんて感じできまり。次は「ブッチャーがきた」にして「みんなきた全集」を作ろうなんて笑ってましたが、1冊で終わってしまいましたね。この本が出来上がったとき、ぼくはインドに行っていたので見本を郵便で送ってもらったのですが、届いた小包を受け取りに行ったら、今日は担当者がいないから渡せないと言われてしまった。そこで次の日にまた取りに行ったら、今度は書類に不備があるからダメだという。すぐ目の前の、手を伸ばせば届くところに小包があるというのに。しかも楽しみにしてた本だし、せっかく海外まで送ってもらったものだから早く読みたいわけです。あのときはホントに腹が立ったなあ。まさに、そこまで「シークはきていた」んだけれども、すぐに次の場所へ行かなければならなかったので、結局その小包はあきらめて移動してしまいました。あの本はその後どうなったんだろう。 (椎名誠 新潮文庫 1996年『自走式漂流記1944〜1996』より)
雨がやんだら
出版社:新潮社
発行年月日:1987/11/15
文庫(『シークがきた』の改題・文庫化)
出版社:クリーク・アンド・リバー社
発行年月日:2014/7/31
電子書籍(『シークがきた』の改題・電子書籍化)