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出版社:新日本出版社

発行年月日:2019年09月05日

椎名誠 自著を語る

 いろんな国を旅しているとわかるのだが、その国によって道の様相はずいぶん違う。アスファルトでいたるところ固め尽くされていて、小さな町の路地までも土が見えないという日本の道などは、むしろ世界では特異な部類に属するのだろうということが見えてくる。  この本の表紙は、広大な草原に住居や人間の気配のする構造物が一切見えない一本のくねくね道で、実際歩いていくとどこまで行ってもそんな風景が連続していたりする。水を飲む場所ひとつない草原の道は、歩く人にとっては生きていくうえでえらく不便なのだろうが、初めて見る者にとってこれほど魅力的な、地球を感じさせる道はない。どんどん歩いていきたくなる。

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