「われらペリカンっ子」

われらペリカンっ子

 

制作=1974年頃/8ミリ/40分/モノクロ

出演=園児と父兄、先生/ナレーター=渡辺一枝

あらすじ

保育園の園児とそこで働く人々の日常を描いた記録映画。

椎名誠 自作を語る

ぼくの妻が保母をしていた保育園のある一日を追いかけた記録映画です。このときは保育園の運営委員会から製作費──といってもフィルム代ぐらいでしたが──をもらったので、かなり本格的に作りました。この映画は保育園の要請で作った宣伝用映画だったんです。  製作期間はのべで1カ月ぐらいかかりました。上映時間は四十分。自主映画としてはやや長いですね。ナレーションは妻にやってもらいました。  出来上がった映画はいろいろな運動母体の巡回上映に使われました。思えば、これが後の「コンバット・ツアー」の原型になっているのかもしれません。  あちこちの公民館を借りて上映したのですが、そういう手作り上映会というものが、ぼくは大好きなんです。きれいで映写設備が整った映画館で見るのが嫌いというわけではないのですが、小学校のころに校庭に張られたスクリーンで見た野外映画の記憶が鮮烈に残っているせいでしょう。今でもときどき野外上映会を企画しているのは、そういう理由からです。  確かに野外だと風でスクリーンは揺れるし、いろいろな音は聞こえてくるしで、障害は少なからずあるのですが、雰囲気がとてもいいんですね。映画は一人で見るものではなく大勢の人と一緒になって見るのがいいので、そういう雰囲気をぼくは大切にしたいと思っています。 (椎名誠 新潮文庫 1996年『自走式漂流記1944〜1996』より)

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