出版社:柏艪舎

発行年月日:2012年05月05日

椎名誠 自著を語る

なんだか謎めいたタイトルであり、表紙の装丁も不思議な気配を漂わせている。サブタイトルに「超常小説ベストセレクションⅠ・Ⅱ」とあるように、「超常小説」とはぼくがフィクションを書くときのジャンルのことで、まあ世間的にいえばSFということになる。でもぼくはあえてそこに「超常小説」という自分なりのジャンルをつくって長年こだわっていた。この本は二冊組になっていて、合わせて超常小説のわがベストセレクションととらえていただけるとありがたい。これらの小説群は、ぼくがのめりこんで書いていた時期のものが多いから、ジャンルの気配を好まれたらその人を退屈はさせないという自負がある。エラそうにいえば、読者を選ぶ小説群であり、その逆に読者から厳しく選別される短篇小説群でもある。こんな一面もあるのかと見つめてもらえたらうれしい。

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