椎名誠 旅する文学館

ブタの置物

パプアニューギニア

これは、お前も一緒にいった浮き球▲ベースボール日本代表のパプア遠征の時に買ったものだよ。

ニシザワ「おー、懐かしいですね。2004年でしたか」

あのとき、ニューアイルランド島に渡ったじゃないか。そこに市場があったの覚えているか？
おばあさんが一人でやっている雑貨屋で手に入れた。
豚の置き物だね。どっしりした感じがいいだろ。値段は確か日本円にして３円か４円。

みんな土産はでっかい木工細工とかを買ってたと思うけど、俺はなんでこれに目がいったのだろうね。
今思うと不思議なんだけど、なんかのインスピレーションを感じたんだろうな。

ニシザワ「ところで、あの頃の日本代表遠征は楽しかったですね」

そうだな。なんつってもウ・リーグ日本代表と勝手に名乗って（笑）、台湾、韓国、パプアと国際試合を行って、これをすべて撃破したものな。
（『世界おしかけ武者修行　海浜棒球始末記その２』）

ニシザワ「一番の強豪がこのパプアでした」

ソフトボールが普及していてね。しかもみんな身体能力が高くて、顔は全員ボブ・サップ（笑）。すごいホームランをバカスカ打たれたけど、こっちもよく打ちかえしたよな。

ニシザワ「最後の決勝戦は、シーナさんのサヨナラ満塁ホームランで決着でした。あれは感動したなぁ」

うむうむ。今思えば、あれが我が浮き球人生の頂点であったな（笑）。