出版社:角川書店

文庫

発行年月日:2011年07月25日

椎名誠 自著を語る

「夕刊フジ」で週一回の小さなコラム連載をやっていた。たくさんの連載を書いているので、この連載を引き受ける前に目黒考二に相談したのだが、テーマを無限大に広げた中で書くよりは、極端に絞ってしまってそのテーマにがんじがらめになるようなかっこうで書いていくほうがよい、と断言された。そこでサラリーマンを主要購読層とするタブロイド新聞であるから、酒とその肴というところにテーマを絞った。これはまあ自分の毎日の日々を書いて行ってもそれに合致してしまうわけだから話は簡単で、たくさん連載がありながらもほとんど苦労もなく書いていたような記憶がある。その連載では二つの単行本ができたが、この本のタイトルは、ぼくとしてはかなり気に入っている。(2011年 椎名誠 語りおろし)

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