出版社:集英社

文庫

発行年月日:2009年11月25日

椎名誠 自著を語る

「別冊文藝春秋」に波切り草を連載してきてそれが終わるか終らない頃に、「週刊金曜日」の連載小説が始まった。タイトルの『草の記憶』はぼくの子どものころの野山での体当たり式の遊びに由来しているもので、子どもにとっては水や木や草は自分のフトコロみたいなものだから、これをメインタイトルにすると話はとても書きやすかった。第一章から第八章まで章タイトルはすべて植物の名前になっている。本物の名前もあるし、ぼくがこしらえた空想上の名前もある。まあそんなことをしながら、遊びながらといってはなんだけれども楽しんで書いた一冊である。

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