椎名誠 旅する文学館

出版社：毎日新聞社

発行年月日：2009年06月10日

椎名誠 自著を語る

ときどき我ながらえらいな、と思うときがある。それは案外ぼくは性格的にしぶといところがあって、一度始めると少々苦しくても断固やり続けるということだ。ふたつの週刊誌に毎週観点視点のちがうエッセイを書き続けられるかどうか迷ってスタートしたものの、それぞれ雰囲気ととらまえかたのちがうエッセイをかき分けてきたような気がする。週刊誌の連載は一年たつと確実に一冊の本にまとまるようになっており、これも赤マントシリーズに続く新シリーズの単行本になりそうだ。タイトルはやはり７、８本を考え、自分ではうまくわからず、このときは目黒ではなく毎日新聞の編集のスタッフに見てもらい決めてもらったといういきさつがある。この本ができたとき、よく行く新宿の居酒屋にいつもの酒飲み仲間５、６人と本当に７時に待ち合わせして出来上がった１０冊の本のうち７冊をその場でプレゼントしたという思いがけない偶然があった。