出版社:集英社

発行年月日:2006年06月10日

椎名誠 自著を語る

集英社『すばる』はある程度のサイクルを持って連載小説を書いているなじみの深い雑誌だ。その昔「アド・バード」という長編SFを2年半にわたって連載し、それが日本SF大賞をもらったという経緯もあって、私小説やSFをここには交互に書いてきていた。この本は、帯にクラシックな超常未来とあるように、ぼくのいちばん好きなジャンルなのである。SFの専門誌ではスチームパンクなどともいわれているが、つまりは蒸気機関でコンピューターを動かすようなアナザーワールドを基本舞台にするおはなしのゾーンである。これは読む人によって好みがはっきり分かれるジャンルなので、出版としては冒険的な部分が多いが、この手のものが好きな作者としては、喜びに満ちて書けるのである。シリアスなSFではなく、どこかずっこけたようなキャラクターが出てくるシリーズものに魅力を感じ始めていた、その一冊目であるような気がする。(2011年 椎名誠 語りおろし)

9784087464337

砲艦銀鼠号

出版社:集英社

発行年月日:2009/05/25

文庫

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