出版社:文藝春秋

文庫

発行年月日:2005年01月10日

椎名誠 自著を語る

「週刊文春」に書いている赤マントシリーズの単行本はこれで13冊目になった。このシリーズは週刊誌一年分の連載で一冊になる、と以前書いたが、単行本にするときはそれらを全部のせるわけではなく、改めて読んでみるととても本に残すような気分になれないいいかげんな話の回もあり、それらはばさばさ捨てていくことになる。それだけ気分にムラの多い一年を過ごしたということの証だ。タイトルでいつも苦しむのは同じだが、今回はわりあいすんなり決まった。この頃、腰痛に悩んでいて、新宿にある鍼灸治療院に通っていた。鍼を打ってもらうのだが、そのことをぼくは「ハリセンボンになる」と仲間などに話をしていた。それが頭にあったのだろうと思う。(2011年 椎名誠 語りおろし)

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