出版社:岩波書店

新書

発行年月日:2003年07月18日

椎名誠 自著を語る

1987年に出た岩波新書のぼくの最初の本『活字のサーカス』は、その後同社の「図書」でほぼ月刊の連載となり、本と旅をつなげたなんとはなしの新しい自分のジャンルになっていった。この本はその活字シリーズ3冊目。自分の興味のあるジャンルをまとめるためには関連書を次々に発掘していく必要がある。そのためこれを書いている当時は毎週のように神保町や早稲田の古本屋巡りをしていた。一つの視点から本をつなげていくと、どんどん驚くべき方向に発展拡大していくことがけっこうあり、その広がる一方のテーマを収斂させるのに苦労した記憶がある。これはそういう喜びと辛さが複雑にまじりあった一冊となった。(2011年 椎名誠 語りおろし)

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