出版社:角川書店

文庫(『酔眼装置のあるところ』の改題・文庫化)

発行年月日:2003年04月25日

椎名誠 自著を語る

この本を出すときに本の雑誌社の中ではタイトルについて二つの意見がありました。従来通り「むは」の流れでいこう、という意見と、それでは以前出した本と紛らわしくて新刊と思ってくれないんじゃないか、という意見。どっちにしようかな、と考えていたとき、このタイトルが思い浮かびました。酔眼装置のあるところ、というのはすなわち居酒屋のこと。その頃ぼくは言葉を別の言い方に置き換えていく遊びに凝っていたんです。しかし、後になってから、せっかく「むは」がここまでシリーズ化しているのに失敗したなあと思って。だからこの後ではまた「むは」シリーズに戻っています。(椎名誠 新潮文庫 1996年『自走式漂流記1944〜1996』より)

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