出版社:講談社

発行年月日:2002年05月21日

椎名誠 自著を語る

『オール讀物』で東海林さだおさんとの対談連載が終わり、何かちょっと気の抜けたような寂しさを感じていた頃、東海林さんも、シーナさん、またあのような対談をやろうよ、と言ってきた。そこでたぶんに行き当たりばったりのタイミングだったが、当時何かの連載が終わったばかりだった『小説現代』の編集長に、『オール讀物』でやっていたような東海林さんとの対談をそのまんまおたくへ移籍して続けるということはできませんか、と売り込んだ。当時の編集長は土屋和夫さんで、確か話をしたその場で、ぜひ頼みます、と言われた記憶がある。あんまりあっけなく移籍が決まってしまったので、ぼくも驚いた。 東海林さんにそのことを連絡するとシーナさんは営業もなかなかやれるじゃないの、と喜んでくれた。この対談では毎回ゲストを呼ぶことをテーマにしており、それまでとはちょっと違ったゲストを迎えての鼎談ではなく、インタビュー対談のようなスタイルになっていった。『太っ腹対談』というタイトルの由来はまるで思い出すことができない。この手のタイトルはどうでもいいんだと今になると思う。(2011年 椎名誠 語りおろし)

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