出版社:文藝春秋

文庫(『人生途中対談の改題・文庫化)

発行年月日:1999年09月10日

椎名誠 自著を語る

前にも書いたように、東海林さだおさんとの対談がぼくにはいちばん話が発展する。そして涙が出るほどおかしかったりする。ありがたいことに東海林さんもそう思っているらしく、それでは毎月連載で対談しましょうか、ということになり、「オール讀物」でその時その時、出たとこ勝負の対談シリーズを一冊にまとめたもの。目次をみると食べ物について語っているのが半分ぐらいあるから、まあ、話も発展するというものだ。その中に「魚介月旦」という章があり、つまり魚たちを人物になぞらえるという手法だが、この対談をした当時のダイナミックなおかしさが我ながら強烈な刺激となり、その後出した雑魚釣り隊の本の中にこの章だけ採録した。今読んでもぼく自身笑ってしまうのは、やはり東海林さんの笑いの奥深さが存分に発揮されているからなんだろうと思う。(2011年 椎名誠 語りおろし)

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