出版社:集英社

文庫

発行年月日:1999年06月25日

椎名誠 自著を語る

エンドレス連載というなんとはなしの約束事で始めて集英社の『青春と読書』に一年間書いた小説です。完結しては四、五年たってから本になったのには深い意味はなく、筆者がさぼっていただけの話です。ぼくの私小説というのは、幼い頃の話が『白い手』や『犬の系譜』であり、青年期が『哀愁の町に霧が降るのだ』や『銀座のカラス』ですが、これはその中間の時期を書いたものです。一年に満たない期間の凝縮された熱い時期を私小説風に書いたつもりです。 (椎名誠 新潮文庫 1996年『自走式漂流記1944〜1996』より)

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