出版社:文藝春秋

文庫

発行年月日:1998年03月10日

椎名誠 自著を語る

「赤マント」シリーズの5冊目になります。もう言うことがなくなってきたな(笑)。タイトルの「ネコの亡命」には例によってそんなたいした意味があるわけではありません。ぼくはネコがきらいというわけではないのですが、モンゴルにいったときに驚いたのは、むこうではネコが一種の侮蔑の対象になっているということでした。羊や牛と違って食用になるわけではないし、かといって犬のように訓練してもなにか役に立つことをするわけでもないネコは、遊牧民にとっては無益な生き物というわけです。いろんな考え方があるもんです。 (椎名誠 新潮文庫 1996年『自走式漂流記1944〜1996』より)

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