出版社:晶文社

発行年月日:1996年10月10日

椎名誠 自著を語る

いつかこの方の装丁によるわが本を、と思っていた平野甲賀さんの手による二冊目の写真エッセイ本である。一冊目の『海を見にいく』の四六判、横開き、段ボールケースという本造りに感服していたら、今回もそれに準ずる形になった。一枚の写真にはひとつの物語があり、それらの写真を組み合わせることによって物語が動いていく、という持論を長いこと持っているが、この本あたりからいよいよそれが本格的に動き出した気がする。考えてみるとぼくの本はいくつかのジャンルがかなり明確にあって、けっこうしぶとくそれぞれの路線を貫いていっているようだ。この写真小説、あるいは写真エッセイというようなシリーズは、結果的にそのあとどんどん進化していくことになる。わが本の中では、作者として幸せなジャンルに入る一冊だ。(2011年 椎名誠 語りおろし)

9784087477474

風の道 雲の旅

出版社:集英社

発行年月日:2004/10/25

文庫

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