出版社:文藝春秋

文庫

発行年月日:1994年04月10日

椎名誠 自著を語る

これは、プロの書き手として、やっと安定してきたかなと自分で思い始めた頃の短編小説集。表題の短編は新美南吉の「手袋を買いに」のパロディーです。「超常小説」というものに対する意識が固まりはじめて、意識的にヘンテコな話を書けるようになったのですが、よく考えるとこの本に入っている作品はどれも普通の小説として書こうと思えば書けるものなんです。しかしぼくはどうせ書くのなら、なんでこんなヘンな話を、と人が思うようなものを書いた方がいいと思ったんですね。(椎名誠 新潮文庫 1996年『自走式漂流記1944〜1996』より)

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