出版社:情報センター出版局
発行年月日:1987年05月05日
椎名誠 自著を語る
これはかなり苦しんで書いた書き下ろしです。足掛け三年、書き続けたのですが、星山さんの強引さというか粘っこさのようなものがなければ成立しなかった企画でしょうね。当時、ぼくらのタッグ・チームもだいぶ経験を積んで、最盛期に入りつつありました。互いにものすごく真剣に仕事をして議論をして、といった感じで緊張感がありましたね。そういう時期を象徴するような出来になっていると思います。一般には旅行記と思われていますが、旅行記の形を借りた私小説とラブ・ストーリーと言う人もいます。確かにぼくは照れ屋だから、正面から書けないところがありますが、これはやはり旅物といってよいと思います。旅についてはいろいろなやり方で書いていますが、この本を作ったことによって、旅を書くスタイルが一つ出来上がったな、という気がしています。自分の中のジャンルというようなものを作りあげることができた、という点では、大きな意味のある作品です。(椎名誠 新潮文庫 1996年『自走式漂流記1944〜1996』より)
パタゴニア
出版社:三五館
発行年月日:1993/03/05
出版社:集英社
発行年月日:1994/06/25
文庫