「遠灘鮫腹海岸(とおのなださめはらかいがん)」

「遠灘鮫腹海岸(とおのなださめはらかいがん)」

原作=『地下生活者』(椎名誠、集英社)『林(りん)さんチャーハンの秘密』(林政明、情報センター出版局)

ⓒ1996年、ホネ・フィルム

撮影=カラー35ミリ、スタンダード、30分

製作=黒木利夫、岩切靖治

プロデューサー=吉田浩二、谷浩志、阿部剛

脚本=椎名誠

撮影監督=中村征夫

音楽=高橋幸宏

出演=林政明、他

ロケ地=新潟県・寺泊町

椎名誠 自作を語る

『白い馬』を撮ったあとの映画の企画というのはいくつかあって、その最も大きなものはぼくの小説『武装島田倉庫』を映画化するというものでした。ところが、ぼくより先にハリウッドの映画が似たような設定の話をやってしまい、それがあまりにぼくのアイディアと近かったので断念してしまいました。その次に短い映画として考えていたのが「あやしい探検隊」の名料理人・林政明さんを主役にした映画『リンさんチャーハンの秘密』です。これは『ガクの冒険』に近い、「あやしい探検隊」のキャンプの延長線上で趣味的に撮ろうとしていたものですが、シナリオを作っていく過程でいろいろなアイディアが浮かび、結局オムニバス映画のうちの一本『遠灘鮫腹海岸』として完成しました。ストーリーなども当初の予定とはだいぶ変わっています。  撮影はゴールデン・ウィーク期間中の短い時間を使って集中的に行いました。海岸にセットを組んだり、砂浜にいっぱい穴を掘ったり、意外と手間はかかっています。特に狭い穴の中の話なので、主演の林さんと撮影チームは苦労のしっぱなしでした。タイトルも内容も他にはないようなヘンなもので、ぼくの小説世界にもっとも近い映画になりました。 (椎名誠 新潮文庫 1996年『自走式漂流記1944〜1996』より)

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