『おなかがすいたハラペコだ②おかわりもういっぱい』

目黒それでは『おなかがすいたハラペコだ②おかわりもういっぱい』。新日本出版社から2018年5月に出た本ですが、「女性のひろば」に連載したエッセイをまとめたものですね。この「女性のひろば」は、日本共産党中央委員会の発行と。これは月刊誌?

椎名そう。真面目な原稿が多い雑誌で、おれのエッセイは文体そのものがこうだから、ちょっと異色だよね。

目黒わかりました。書名からわかるように、食い物に関するエッセイ集ですね。それでは例によってこまかなことを聞いていきます。まず、冷し中華の話が出てくるんですが、椎名は冷し中華に対して冷たいよね。

椎名そうかあ(笑)。

目黒なんでだろと思ったいたんだけど、ここにその理由が書いてある。お店で出てくる冷し中華は量が少ないって言うんだ。嘘でしょ、量はたっぷりあるよ。

椎名最近食ってないからわからないけど、おれの記憶の中では量が少なかったぜ。

目黒それと、これは構成の関係なんだけど、そのすぐあとの項に、最近小食になってしまった、という話が出てくる。加齢の影響か、それともトレーニングのやりすぎかって言うんだけど、小食なら量が少なくてもいいだろ(笑)。

椎名きのう沖縄から帰ってきたんだけど、若いやつはすごく食うんだよ。あれには驚くよ。

目黒椎名だってカツ丼とタンメンを一緒に食ってたよ。あれは四十代のころか。

椎名四十代ならそのくらい食うだろ?

目黒いや、おれは食えなかった。で、最近小食になったっていうのは、何年前のことなの、その最近ってのは?

椎名3年くらい前かな。

目黒ちょっと待ってよ、あなたはいま七十五歳なのよ。3年前って言ったら七十二歳じゃないの。そこまで食ってたなら、もう十分だよ(笑)。

椎名じゃあ、5年前かなあ。

目黒それでも七十歳だよ。ま、いいや。それと、質問なんですが、混ぜご飯の話が出てくるんだけど、椎名は混ぜご飯と炊き込みごはんを一緒にしているんだ。どうして?

椎名同じだろ。

目黒混ぜご飯は、炊いたご飯に具材を混ぜるもので、炊き込みごはんは、米を炊くときに炊飯器に具材を入れて一緒に炊くものだから、製法が違うよね。たとえば、ここに出てくる「ヒジキとあぶらげと細切りニンジン」は混ぜご飯だけど、タケノコは普通炊き込みご飯でしょ。そうしないとご飯に香りが移らない。

椎名いいじゃん、どっちでも。

目黒ま、いいか。あとね、面白かったのは同じ話が何度も出てくるんだよ。何度も、というのは別の本に書いたことだったり、時には同じ本に書いたことをまた書いたりしている。どこかで読んだよなあということが、最近の本には見受けられるんだけど、それには本人もうしろめたいようで、こんな文章を書いている。

「前のほうで書いたハナシをまたむしかえすが、このことは何度でも声高に言わないといけない」


 同じ話を書くのはそれなりに意味があるんだ、と言いたいわけ。それほどたいした話じゃないんだけどね(笑)。

椎名まあまあ。

目黒ホースラディッシュって何? 馬わさびって書いてあるんだけど。

椎名うまいぜ。ローストビーフにつけて、ビールを飲みつつ食べるんだよ。

目黒それ、どこで売ってるの? 普通のスーパーで売ってる?

椎名ちょっとしたスーパーなら売ってる。

目黒同じ項に出てくる半田めんも美味そうなんだけど。

椎名それは、そーめんとうどんの中間ぐらいの太さの麺。

目黒徳島の半田地区で作られている。それは、取り寄せているの?

椎名五島うどんか、その半田めんだな、最近は。

目黒あのさ、チャーハンの話のところに、「昔はヤキメシと名乗っていた。いや違うか、和名がヤキメシ。中華名がチャーハンなのであった」と書いているんだけど、本当に同じものなの?

椎名じゃあ、どこが違うのか、言ってみなさい(笑)。

目黒そう言われると。じゃあさ、ピラフってあるだろ? あれも同じ?

椎名洋名がピラフなんだな。

目黒ホントかよ。

(この対談は2019年11月25日に行われました)

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