出版社:椎名誠旅する文学館
発行年月日:2016年10月10日
椎名誠 自著を語る
目黒考二(北上次郎)はすぐれた文芸評論家だが、「本の雑誌」を創刊した相棒でもある。思えば四十年近く彼は編集者と文芸評論の道に邁進し、ぼくはモノカキ方向に進んでいった。 ぼくの書いた本は、これを企画をした時点で200冊以上になっていたと思うが、目黒はその本を全部読んで一冊ずつ検証しているのだ。 時々、場所は変わったが、大体小部屋で向かい合いテーブルをはさんで、警察の取り調べに似た彼の鋭い質問に、「そうだっけ」「そんなこと書いたっけ」といつもうろたえていたのが作家のほうだった。目黒は声が大きいのでますます取り調べの気配になり、ぼくは委縮していくのだった。
本人に訊く〈壱〉 よろしく懐旧篇
出版社:集英社
発行年月日:2019/8/30
文庫